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静岡県議会議員

市川秀之 ごあいさつ
午前7時30分、ヘルメットをかぶり子どもたちが列を作って歩いています。先頭は班長の6年生か5年生、手には黄色い横断旗を丸めて持っています。その後ろは幼稚園や保育園を卒園して小学校に上がったばかりの新一年生でしょう、真新しいランドセルを小さな体に背負い、まだ体力がなく重いのでしょうか? 少し上半身を前傾させて遅れないように急ぎ足でついていきます。列の後ろへ行くほどに徐々に学年が上がるようで、仲の良い子同士で何かおしゃべりをしています。何気ない春の風物詩ですが、最近とみに案じるのはその列の短さです。私たちの子どもの頃は1つの班には10人程度がいて、兄弟姉妹も何組もあったように記憶しています。ところが今朝見かけた通学のグループはどこも5?6人、中には3人で歩いているところもありました。近年は通学班に新一年生がいないところも多くあると聞き、少子化の現実を否応なしに見せつけられることとなりました。
国はこれまでの少子化対策を踏まえて、2023年12月に、「こども未来戦略」を閣議決定しました。「こども未来戦略」には、3.6兆円に及ぶ前例のない規模での政策強化の具体策を盛り込んでいます。2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるラストチャンスであり、企業も含めて、社会経済の参加者全員が子育て世帯を支え、応援していくことが重要であると考えます。
また、通学班の列の短さにはもう一つの要因もあるようです。それは集団での登校ができない児童が大勢いるという現実です。小1プロブレムや低学年時からの不登校など、学校や集団生活になじめずにいる児童が数多くいるという問題は年々大きくなっているような印象を受けます。原因は一つではなく、何か一つを改善すれば劇的によくなることではないのかもしれませんが、幼児期における態度教育や道徳教育の重要性が今、見直されつつあります。日本人の美徳の一つに「和の精神」があります。調和や協調を重んじる文化と思想は、諸外国からも事あるごとに称賛され、時にあこがれの声さえも聞かれます。グローバル化や多様性、個人主義などの新しい価値観を否定するものではありませんが、古き良き「和の精神」を大切にしてこそ一層の輝きを放つ日本のアイデンティティがあります。未来に向けて日本がより豊かに存続していくための教育こそが、国家百年の大計であると考えます。
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