青森駐屯地第9師団の装備品には降雪地域特有のものがあります。また、雪中での訓練も定期的に行われ、冬季の活動に備えております。地域的な特性から原子力施設等の重要施設が多数あり、警察と連携した施設警備訓練も行われています。災害支援活動に関しては、様々な災害に対する経験を有し、特に東日本大震災時には大規模な救援活動を実施しているため、多くのノウハウを備えております。
災害支援活動を円滑に実施するには、日頃の訓練と関係各所との連携が必要不可欠です。東北方面隊では2008年より、宮城沖地震を想定した訓練「みちのくアラート」が実施されていました。これにより、関係自治体との迅速な調整、各関係機関との連携強化、初動対処部隊の出発準備の迅速化などが図られ、東日本大震災時の対応にも大きく反映されました。静岡県は震災が想定されている地域であり、その対策は進められていますが、自衛隊等による支援活動の受入体制及び関係各所との連携は再度確認する必要があるのではないかと思います。
災害への対応は、発生前の対策とともに発生後の復興支援も重要であります。現在、静岡県の地域特性等を考慮した独自ガイドラインの構築も進められていますが、これまで国内で蓄積された様々なノウハウも参考に、支援要請等も含めた総合的なガイドラインの構築と、地域自衛隊等との連携訓練の実施が望まれます。
今回の東北方面への視察全般を通し、国家・国民のために昼夜をたがわず任務にあたっていただいている自衛隊の方々に対し深く感謝と尊敬の念を覚えました。第2次世界大戦が終わって74年が経ちます。憲法や自衛隊の在り方についていろいろなご意見があることは承知していますが、そろそろしっかりと議論をする時期に来ているのではないかと考えます。