静岡県議会議員
市川秀之
ごあいさつ
立冬を過ぎ暦の上では冬となりましたが、体感上の季節はまだ晩秋といったところでしょうか?北日本や標高の高い山々から紅葉の報せが届き始め、温暖な平野部でも日中の気温が20℃前後となりシクラメンやパンジーなどこの季節の植物がきれいな花を咲かせはじめております。四季のある日本ならではの風情は、豊かな感性を育み文化や芸術を醸成していきます。旬の時期にいただくおいしい食材やそれを生かした風土料理も大切な文化であり、また季節ごとの楽しみの一つであります。
それにしても今年は特別に暑い夏でしたが、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか?40℃近い高温の日が続き、また雨が少なかったため、農業など天候の影響が大きい業種を営まれている方々は大変御苦労されたことと存じます。私は「浜名湖花博2024」の開会式の記念にいただいたマーガレットの新品種「ビジューマムガーネット」を鉢植えにして大切に育てていたのですが、残念ながらこの夏の高温には耐えられませんでした。報道で取り上げられたため大きな話題となりましたが、新潟や山形などのコメどころでも「暑すぎて稲が枯れてしまう」といった被害が報告されており、コメ不足による米価の高騰を引き起こし、私たちの家計を直撃しました。本県特産のイチゴにおいては、夜間の気温が高いため花芽の分化が進まずその後の需要期を逃したり、ワサビでは水温が高いためワサビ苗の株の腐敗が起きたりするなど、生産現場は悲鳴を上げていると聞いています。また、花きの生産においても猛暑の影響は深刻であります。葉焼けや枯れ死など、暑すぎて夏越しのできない花や草木が出てきており、栽培農家の皆様の心中をお察しすると大変心配であります。
こうした問題への抜本的な対策として、高温耐性品種の導入が効果的であり、生産者も心待ちにしているのではないかと思います。もちろん品種の開発や改良には長い時間の研究や膨大な作業が必要で一朝一夕にはできませんが、本県の農業技術研究所の優秀な研究員が日夜努力していると聞いておりますので、他県に先駆けて高温に強い品種などを開発し、本県の優位性を獲得していただけるものと期待しています。
さて、過日は第50回衆議院議員選挙が行われ、与党の惨敗という結果となりました。「政治とカネの問題」に係わる説明が不十分で国民の信頼を失ったことが敗因と指摘されていますが、信頼の回復は容易ではありません。政府も含めこの結果に正面から向き合い、改めるべき点は大いに改める必要があります。一方で、物価高騰対策や賃上げの促進とそれに伴う中小企業対策、地震や風水害等の防災・国土強靱化対策など私たちの生活に直結する課題が山積しています。これらの多くが国と地方に共通した課題であることから、一刻も早く政治の混乱を脱却し国政の安定を取り戻してもらうとともに、私たち県議会も真摯に喫緊の課題に取り組んでいかなければなりません。皆様の声を県政に反映するための努力を惜しまないことを改めてお約束いたします。